都電の中で

その日は都電で帰る一年生の女の子が、一人でした。寂しい寂しいと愚痴っていたら
席に座っていたお婆さんが徐に魚肉ソーセージを一年生に渡そうとしてました。
一瞬時が止まりました。一年を中心に私を含め四人いたのですが、あまりの出来事に
何も出来ませんでした。少しして一年生は断ったのですが、それから私達のスイッチ
が入ってしまって笑いを堪えるのが大変でした。その後も、スナック菓子、海苔、
煙草、カップめん、と色々勧めていましたが、一年は全部断り、お婆さんは
降りていきました。「なんで誰も助けてくれないんですか!」と怒ってましたが、
どうやったって助けられないよ〜と、思いました。